11 ASIAN LEGAL BUSINESS – JAPAN E-MAGAZINE WWW.LEGALBUSINESSONLINE.COM interests in tokens, are regulated under the Financial Instruments and Exchange Act (FIEA) as electronically recorded transferrable rights. In May 2020, the PSA and the FIEA made amendments and replaced the term “virtual currency” with “cryptoasset”, which brought clarity to the regulation of cryptocurrency exchanges and trading platforms. Based on the market’s current state of development, Japan is trying to align itself with global standards, and even move further. The Japanese authorities are now planning to revise the Act on Prevention of Transfer of Criminal Proceeds to require exchanges to provide user data when sending cryptocurrencies to another exchange, according to multiple reports. In May, Japan signalled its support for suggestions by the Financial Action Task Force (FATF), the world’s money laundering and terrorist financing watchdog, for jurisdictions to implement a cryptocurrency “travel rule,” which requires digital asset firms to share and screen customer data for transfers above a certain threshold. Japan had not yet implemented the travel rule. Japanese politicians have also been encouraging the emerging industry and aim to make it safer. In an October 2022 speech, Japan’s Prime Minister Fumio Kishida said the government will further invest in digital transformation and expand the use of Web3 services. Web3 refers to the next evolution of the World Wide Web, which incorporates decentralisation, blockchain technologies, and token-based economics. 2022年は、FTXグループやテラ・ エコシステムの崩壊、仮想通貨貸付業 者のセルシウス・ネットワークやブロック ファイ、仮想通貨ヘッジ・ファンドのスリ ー・アローズ・キャピタルの破綻等によっ て、およそ2兆ドルが市場から消えるとい う、暗号資産業界にとって悲惨な年であ った。 しかし、シンガポールや香港、日本 といったアジアの各当局は、暗号資産 が近い将来消えてなくなることはない と認識しており、むしろ仮想通貨への 規制を強化し、バランスを取り続けな がら投機的リスク及びコンプライアン ス・リスクを最小限に抑える道を探って いる。 上記のような暗号資産取引所の破 綻にもかかわらず、アジアの複数の法域 では現在、市場参加者のために規制の 不確実性を取り払い、成長しつつあるア セット・クラスを活用することに、取り組 んでいる。 積極的な措置を講じて個人投資家 向けのチャネルを開いた法域もあれば、 より慎重な法域もある。 しかし、こうした政策は、トレーダー と規制当局の双方にいくつかのリスク を内包させる。FTXトレーディングの破 綻は、この事実を思い起こさせるもので あった。取引所の倒産は同社が最初で はなく、またこれが最後にはならないだ ろう。 最初に注目を集めたのはおそらく、 東京の仮想通貨取引所であったマウン トゴックスの破綻だろう。同社は、その ピーク時には世界最大のビットコイン 取引量を誇ると言われていたが、2014 年に、ハッキングされて「何10万ものビ ットコイン」を失って、破産した。長年に わたる訴訟等の末、債権者への弁済を 開始し、最初期のビットコイン信者の一 部を少しは安心させたのが、今年3月の ことだ。 こうした先例を踏まえて、米国では 暗号資産を使ったサービスを提供する 銀行への規制が強化されたのを受け、 事業をアジアへと移す暗号資産企業が 増えるだろうと予想されている。また、こ の規制強化により、仮想通貨産業は銀 行業務から切り離されることになる。 ベーカー&マッケンジー香港事務 所金融サービス・グループのパートナー であるカレン・マン弁護士によると、成 長する新興産業を上手く規制するため、 アジア太平洋の各法域では暗号資産に 対し成長と発展の方針が採られている が、より成熟した規制を持つ国もあれば それほどではない国もある。 予防的措置を講じる日本 日本は、Web3の推進を引き続き国家 戦略の一部としており、分散型自律組織 (DAO)から非代替性トークン(NFT) まで、暗号資産を巡る包括的な規制を 策定している。日本の市場は、活発な 競争を伴うダイナミックなものとなる だろう。 日本は、ビットコインを始めとして、 分散型デジタル・エコシステムや仮想通 貨マイニングの将来性を認識した最初 の地域の1つである。資金決済に関する 法律(資金決済法)では、2017年4月に ビットコインやその他の暗号資産が合 法的な資産として認められた。マウント ゴックス等の企業が早期に設立され、 世界的に新天地を切り開いたことが大 きい。 金融庁によると、4月30日現在、日 本を本拠地とする暗号資産交換業者は 30社であった。 資金決済法は、暗号資産での支払 いを、フィアット通貨での取引ではなく、 不特定の人への支払いに使用される手 段として認識する。暗号資産交換業者 に対しては、金融庁への登録や、厳格な 顧客本人確認、改正犯罪収益移転防止 法によるマネー・ロンダリング防止規則 の遵守を義務付けている。同規則は、暗 号資産取引の透明かつ安全な運営と投 資家保護を目標としている。仮想通貨の 所有や投資に制限はない。 一方、株式や社債又はファンド持分 をトークンで表示する「セキュリティ・ト ークン」は、電子記録移転権利として金 融商品取引法(金商法)に基づき規制さ れている。 2020年5月、資金決済法と金融商 品取引法が改正され、「仮想通貨」とい う用語は「暗号資産」に置き換えられ、 仮想通貨取引所及び取引プラットフォー ムの規制が明確になった。 市場の現在の発展状況に基づき、日 本は、グローバル・スタンダードに合わ せた上で、さらに前進しようとしている。 改正犯罪収益移転防止法は、仮想 通貨を別の取引所に送る際の顧客情報 提供も取引所に義務付けている。 世界のマネー・ロンダリングおよび テロ資金供与の監視機関である金融 活動作業部会(FATF)は5月、各法域に 向けて提言した仮想通貨の「トラベル・ ルール」の実施の支持を示唆した。これ は、一定額を超える資金移転において、 顧客データの共有と審査を暗号資産企 業に義務付けるものである。日本はトラ ベル・ルールを実施していなかった。 日本の政治家も暗号資産業という 新産業の発展を希求しており、そのため により安全な業界にすることを目指して いる。 岸田文雄首相は昨年10月に、政府 によるデジタル・トランスフォーメーショ ンへの投資とWeb3サービスの利用を 拡大すると述べた。
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