As Thailand embraces ESG, it is beginning to create investment opportunities and construct a more environmentally friendly operating environment.

 

Asia as a region is catching up with the global trend of sustainable investment, and one of the early leaders is Thailand. Regulators have introduced a series of policy initiatives related to environmental, social and governance (ESG) performance. And companies locally are being urged to evolve in order to take advantage of the opportunities.

Green Infrastructure Investment Opportunities Thailand (GIIO), a 2021 report, found that Thailand’s latent potential for green infrastructure investment amounts to at least $31.9 billion.

The report determined that future infrastructure investment should focus on green projects, which present opportunities for Thailand to recover from the COVID-19 pandemic and achieve green growth while transitioning to a low-carbon, climate-resilient economy.

David Beckstead, partner, Chandler MHM Limited says Thailand’s government support for green investment can be seen in both the government procurement and in policies geared towards stimulating private investment. Thailand’s Board of Investment (BOI), the primary government body promoting private investment across all sectors, which spans a broad variety of industries, is already highlighting these green opportunities.

“The BOI’s current list of promoted businesses or projects includes various types of eco-friendly manufacturing, renewable energy generation, manufacturing of all aspects of EV infrastructure, and more,” Beckstead says. Government procurement is another avenue for green projects in Thailand. “Much of the procurement over the past decade has focused on renewable energy projects, with a primary focus on solar, biomass, biogas and wind energy,” he adds.

Additionally, Thailand continues to refine its policy, with the National Energy Policy Council regularly updating Thailand’s Power Development Plan (PDP) in order to set out development priorities, says Beckstead.

“The most recent amendments to the PDP occurred in 2015 and 2019 (with retroactive effect to 2018); a further amendment is expected within the next twelve months. Under the PDP, the Ministry of Energy has developed the Alternative Energy Development Plan (AEDP), which set out specific targets for renewable energy generation,” Beckstead says.

“The current PDP outlines targets to be achieved by 2037 with respect to renewable energy penetration. This has been ratcheted up in recent years, demonstrating the Thai government’s commitment to continue to promote green energy,” Beckstead explains. He breaks it down: “By way of example, Thailand’s 2037 target for solar power in PDP 2015 was 6,000 MWp in installed capacity; this was increased to 10,000 MWp of installed capacity by 2037 in PDP 2018. These policy signals allow the government electricity utilities (i.e. EGAT, PEA and MEA) to procure electricity from renewable sources.”

As Thailand continues to accelerate its green business model, Beckstead says that there are many other areas of opportunity where green transformation can be expected.

“Greater liberalization of the power sector would likely act as a catalyst for further investment in renewable energy. At the moment, the Energy Regulatory Commission is in the process of considering regulations relating to third-party access to the electricity grid,” Beckstead says.

Another area of opportunity is hydrogen. Beckstead says that it would be beneficial for the Thai government to begin developing a comprehensive plan to accommodate this.

“Setting out clear policy objectives would signal to the private sector that Thailand is an attractive jurisdiction for investment in this space,” says Beckstead.

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広がるグリーン投資

環境・社会・ガバナンス（ESG）問題が世界的にクローズアップされる中、各国政府は、投資機会を創出しより環境に配慮した事業環境を構築するための施策に取り組んでいる。弁護士らによれば、ESG情報開示の面で東南アジアをリードするタイは、こうした変化の恩恵を享受する有利な位置にある。

 

アジア地域全体がサステナブル投資という世界的なトレンドに追いつく中で、タイが頭角を現しつつある。タイの規制当局は、環境、社会、ガバナンス（ESG）に関する一連の政策の導入を進めてきた。現地企業はこのチャンスを生かすべく、進化を遂げることが求められている。

2021年11月、大手会計事務所プラ

イスウォーターハウスクーパース（PwC）タイのチャンチャイ・チャイプラシット（Chanchai Chaiprasit）CEOはメディア向けの声明で、現地企業は海外投資家を引きつけるためにESGを取り入れる必要があると述べた。

「直接投資を検討中の企業から、タイ企業がESGに関してどのような取り組みを行ってきたかという質問が非常によく聞かれます。ESGに真剣に取り組んでいる企業への投資を拡大したいという意欲が非常に高まっているのです。つまり、遅れを取っている企業にとっては今、ESGがチャンスにもリスクにもなるのです」とチ ャイプラシットCEOは話した。

さらに、PwCが実施した「グローバル投資家意識調査2021―ESGへの取り組みに対する投資家の評価」では、調査に参加した投資家の49％が、ESG課題に取り組んでいない企業から投資資金を引き揚げる意向だと回答した。もはやESGは「あった方がよい」というレベルを超えており、海外からの投資誘致に注力するタ

イ当局者も、このことを十分に理解している。

2021年に発表された報告書「タイのグリーンインフラ投資機会（Green Infrastructure InvestmentOpportunities Thailand、GIIO）」によると、同国におけるグリーンインフラ投資機会は少なくとも319億ドル規模に上る。

この報告書は、今後のインフラ投資はグリーン・プロジェクトに焦点を当てるべきだと結論づけている。こうしたプロジェクトは、タイが低炭素経済、そして気候変動リスクに強い経済へと移行する中で、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックから立ち直り、環境に優しい経済成長を実現する好機を提供する。

森・濱田松本法律事務所バンコクオフィス（Chandler MHM Limited）のパートナーを務めるデイビット・ベックステ ッド弁護士は、タイ政府がグリーン投資を支援する動きは、政府調達はもちろん、民間投資の促進を目的とした政策でも確認できると指摘する。タイ投資委員会（BOI）はさまざまな産業にまたがる全セクターの民間投資を促進する主要な政府機関だが、すでにこうしたグリーン投資の機会に注目している。

「BOIが現在推進している事業やプロジェクトのリストには、さまざまなタイプの環境に優しい製造業、再生可能エネルギー発電、電気自動車（EV）のあらゆるインフラ設備の製造業などが含まれています」とベックステッド弁護士は話す。

「BOIが推進するプロジェクトは、最大8年間の法人税免除、輸入関税と付加価値税の免除、外国人専門職への特別労働許可の発給、通常は外国人に認められていない事業分野での土地所有や営業の特別許可など、多くの税制上および非税制上の優遇措置を受けることができます」と、ベックステッド弁護士は説明する。

タイでグリーンプロジェクトを実行するもう一つの手段が政府調達だ。ベックステッド氏は、「タイ発電公社（EGAT）、首都圏配電公社（MEA）、地方配電公社（PEA）は、送配電網の運営を担う国営電力会社です」と説明し、これらの電力会社が民間事業者から定期的に電力を購入していると話す。

「過去10年間では、政府調達の多くが太陽光、バイオマス、バイオガス、風力などの再生可能エネルギープロジェクトに集中しています」とベックステッド氏は付け加えた。

タイではこれに加えて、国家エネルギー政策評議会（NEPC）が電力開発計画（PDP）を更新して優先順位を決定し、継続的に政策を調整していると、ベックステ ッド弁護士は話す。

「PDPの直近の改訂は2015年と2019年（2018年に遡及して適用）で、今後12カ月以内にさらなる改訂が予定されています。タイのエネルギー省はPDPのもと、代替エネルギー開発計画（AEDP）を策定し、再生可能エネルギー発電の具体的な目標を定めています」

「現在のPDPは、再生可能エネルギ ーの普及に関して2037年までに達成すべき目標を示しています。近年、目標は徐 々に引き上げられており、グリーンエネルギー推進に向けたタイ政府の決意を浮き彫りにしています」とベックステッド弁護士は話す。

「例えば、2015年のPDPでは太陽光発電の2037年目標の設備容量を6,000メガワットピーク（MWp）としていました。しかし、2018年のPDPでは、2037年の目標が10,000MWpに引き上げられました。このようにタイ政府が政策シグナルを発することで、政府系電力公社（EGAT、PEA、MEA）は再生可能資源から電力を調達することができます」

PDPの次の政策調整は2022年から2023年の間に予想されているが、その先もさらに変更される可能性がある。

「次回のPDP改訂で、タイ政府がカ ーボンニュートラル達成に向けたロードマップを打ち出すかどうかが注目されます」とベックステッド弁護士は指摘する。

「PDPとAEDPの改訂には、グリーン水素やブルー水素の製造のほか、二酸化炭素回収・有効利用・貯留（CCUS）など、その他のグリーンエネルギーに関する具体的な施策が盛り込まれるかもしれません」

ベックステッド弁護士によると、タイがグリーンビジネスモデルを引き続き加速させていく中で、グリーントランスフォーメーション（GX）が期待できる分野は他にもたくさんあるという。

「電力セクターの自由化が進めば、再生可能エネルギーへの投資が拡大する可能性が高いでしょう。現在、タイのエネルギー規制委員会（ERC）では、第三者による送配電網へのアクセスに関する規制を検討中です」

「第三者の送配電網アクセスに関する条例が公布されれば、民間発電事業者が顧客に直接販売することが可能になるかもしれません。これが実質的に再生可能エネルギーの設備容量を拡大するインセンティブとなる可能性があります」とベ ックステッド弁護士は指摘する。

グリーンエネルギーがもたらすもう一つの機会が水素だ。包括的な水素導入計画の策定に着手することが、タイ政府にとって有益であるとベックステッド弁護士は見ている。

「オーストラリアなど、グリーン水 素やブルー水素の製造に適した条件を整備しているアジア太平洋地域の国々は、民間投資を誘致するために水素産業の政策目標を策定しています」とベックステッド弁護士は言う。「ただ、もし軌道に乗ったとしても、タイ政府が水素産業をどのように規制するかについては不確実性が残るため、民間セクターの関心は低いままです」

「明確な政策目標を打ち出せば、タイが水素投資で魅力的な国であると民間セクターに示すことができるでしょう」とベックステッド弁護士は語る。